グラシア通りに Los edificios de la discórdia(不協和音)と呼ばれている区画があります。確かに通りに面して並んだ建物は素人目にも同じモデルニスモ建築とは思えないほどテイストが違います。
左側:カサ・リェオ・モレラ Casa Lleó Morera
設計はドメネク・ムンタネー。重厚にして華麗なあのカタルーニャ音楽堂の設計者です。
右側:カサ・バトリョ Casa Batlló
設計はアントニ・ガウディ。才気と狂気は紙一重と言いますが、ガウディの作品は独創的過ぎて「美しい」などといった単純な表現では収まりません。
中央:カサ・アマトリェール Casa Amatller
階段状になった切妻屋根が特徴のフランドル・ゴシック様式。バルセロナではまず見かけないスタイルの建物です。
設計はジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク。ムンタネーやガウディよりひとまわり以上年下の建築家です。カサ・アマトリェールはチョコレート製造業で財を成したアントニ・アマトリェールの邸宅、改修工事を終えた2015年から見学可能になりました。
この日はカサ・バトリョに続いてこちらを見学します。
見学方法
定員12名の1時間のガイドツァーが1日に3回、英語・カタルーニャ語・スペイン語の順で催行されます。英語のガイドツァーは11:00からの1回のみ。見学料金は24€、公式サイトで予約をすると15%オフになります。ビデオガイドによる40分間のショートツァーもあるようです。
ツァー開始
隣のカサ・バトリョは大混雑ですがこちらはひっそりとしています。ツァーの参加者は4人だけ。中年カップル1組、私以上にカメラで写真を撮りまくるマダム1人、そして私。年齢層高し。これならゆったり見学できそう。
グランドフロアから1階へ続く大きな吹き抜けのある階段。天井の見事なステンドグラスを見上げながらゆっくり上がりりました。
そして入口の扉の前でガイドさんから靴にカバーを付けるように要請されました。ちなみにヒールのある靴はNGです。杖も禁止。
装着完了です。 いよいよ中へ入ります。
玄関から続く長い廊下の床にはモザイクタイル。
まずはショートムービーによる解説があり、それが終わるとガイドさんの案内で邸宅の中を見てまわります。
丸みを帯びたデザインがかわいらしいステンドグラス。
リビング。
ダイニング。
扉にもステンドグラス。
こちらはアマトリェール氏の娘テレサの寝室。
天井の造作も見事です。
ガラスの装飾品。
ツァーの最後は1階のショップの横にあるこちらのスペースでホットチョコレートが頂けます。
溶かした濃厚なチョコレートがたっぷり入っています。ビスコッティを浸けながらいただきました。これがなかなか食べ応えがあって、この日はこれがランチになりました。
感想
朝1番で訪れたカサ・バトリョにがっかりしていたのですが、カサ・アマトリェールへやってきてぐっとテンションが上がりました。観光客を入れられるだけ入れてしまう金儲け主義のカサ・バトリョとは違って、こちらは定員制でゆったり見られるのがいいです。そして邸宅を大切に守っていこうとする姿勢も伺えます。なにより奇抜なガウディよりもゴシックのテイストが入ったカダファルクの方が私の好みでした。
インフォメーション
【見学料金】24€ オンライン予約可能
【割引料金】オンライン予約で購入すると15%オフ
【スケジュール】ガイドツァーは1日に3回
【言語】カタルーニャ語、スペイン語、英語
【所要時間】1時間
【公式サイト】http://amatller.org/en/