サンティアゴ・デ・コンポステーラと並びスペインの2大聖地とされるモンセラット。その信仰の中心はサンタ・マリア・モンセラット修道院付属大聖堂 Monasterio de Montserrat です。
巡礼者のみならず、世界中から大勢の観光客が訪れるこの大聖堂の
- 黒い聖母子像
La Moreneta - モンセラット少年合唱団
Escolanía de Montserrat
この2つを2日間にわたってゆっくり観賞してきました。
大聖堂前広場
15:00を少し過ぎた頃の大聖堂前の広場。13:00に始まるミサとそれに続く少年合唱団のコーラスを観た(聴いた)観光客はそろそろ帰り始める時刻です。
背後だけでなく修道院を取り囲むかのようにそびえたつ奇岩。
モン・サン・ミッシェルなどもそうですが、このような独特の地形・立地などによってその神秘性が大きく高まり、多くの人々から聖地としての信仰を集めるのでしょうね。
登山電車の駅よりもさらに高い場所にある広場からの眺めはなかなかの絶景です。
ファサード
この修道院の起源は1011年、ベネディクト会の修道院であるサンタ・マリア・デ・リポイ Monasterio de Santa María de Ripoll の修道院長が、この地に修道士を派遣したことによります。永らく分院としての扱いでしたが1410年に独立を果たしました。
もともとあった聖堂はスペイン独立戦争(1808-1814)時のナポレオン軍の砲撃で破壊されてしまいました。再建工事によって1901年に完成した大聖堂のファサードにはキリストと12使徒の姿が刻まれています。
聖堂内部
日帰りでここまでやってきて18:45のミサに参加すると、登山電車の最終に間に合わない可能性があります。つまり日中は混雑するであろう大聖堂もこの時間帯は宿泊者の独占状態なのです。
聖堂内陣の主祭壇上に安置された黒いマリア像の姿が見えます。
少年合唱団
ミサが始まってから30分ほど経ってようやく少年達が姿を見せました。
ヨーロッパ最古といわれているモンセラット少年合唱団
ミサが終わったのは19:30、この後はホテルで夕食をいただきました。
夕食の後、再びライトアップされた大聖堂へ。昼間の喧騒が嘘のように聖堂前の広場は静けさに包まれています。このひんやりと冷たい静寂の時間を体験することができただけでもここで1泊した価値があると思いました。
2018-05-04
翌朝。食事の前に黒いマリア像を拝むために大聖堂へ向かいます。この日も空は厚い雲に覆われていました。
前日の参拝者が灯した蝋燭の炎がまだまだ残っています。
黒いマリア像
黒い聖母子像
朝の時間帯は行列もなく、スムーズに見学できます。
880年に羊飼いの子供たちがモンセラットの岩山の洞の中で見つけたと伝えられるマリア像。全体をガラスに覆われていますが、わずかに球体を載せた左手だけが外へと差し出され、触れることができるようになっています。
ちなみに聖母のご尊顔ですがかなりの面長、それも目の下が長く頬が高いので意外とのっぺりとした顔立ちです。(人の顔をとやかく言えるような立場ではありませんが)
マリア像のある場所から見下ろす大聖堂。これは聖母とほぼ同じ視界ですね。ここから慈悲深いその眼差しで人びとを見守っているのでしょう。
ところでこのマリア像の裏側にも美しい礼拝堂がありました。礼拝堂の正面がマリア像の背面になっています。
ミサはまだ続いていましたが、朝食を摂るためにホテルに戻りました。